【読書メモ】UI/UXデザインの原則
- 作者:平石 大祐
- 発売日: 2020/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
目次
- 原則1【:HOW】ユーザー心理/行動をとらえる
「ユーザー心理/行動に則って考える」ことがUI/UXデザインの第一歩である - 原則2【:HOW】どう改善するか
「ユーザー真理/行動」をUI/UXデザインに落とし込む - 原則3【:HOW】どう改善するか〈体制とプロセス〉
UI/UXデザインにおける三方良しをつくる - 原則4【:応用編】
UI/UX思考でこれからのビジネスをデザインする
ざっくりになりますが、
原則1では、どのようにユーザー心理を捉えUXを改善していくか、例えばユーザーテストなど手法的なことの説明。
原則2では、主にUI改善の例が挙げられています。
原則3では、UI/UX改善を行う上でどのような組織や体制を保つことが大事かについて、
原則4はまとめになります。
ポイント
原則1【:HOW】ユーザー心理/行動をとらえる
「ユーザー心理/行動に則って考える」ことがUI/UXデザインの第一歩である
新しい機能を追加するなど改善施策を打ってみても頭打ちになる、などだれしも抱える問題はなぜ起こるのか
→ 多くの場合、サービス提供側の想像と現実のユーザニーズに乖離があるがそれに気づかないことが要因
ユーザーのリテラシーや、ユーザーのサービスへの期待値を正しく理解し、ユーザーが自然と「自分だとこういうふうに使えそうだ」と想起できる状態をつくり上げる。それこそがUI/UXをデザインするということなのです。
WEB担当者とユーザーのニーズはすれ違う
Web担当のニーズとユーザーのニーズがすれ違う原因
→ "詳しくなりすぎてしまう" ことと、"考え方が偏ってしまう" ことにある
定量分析だけではユーザーのニーズはつかめない
定量分析と定常分析の使い分け
- 定量的なデータ → ユーザが離脱するポイントを特定
- 定常的な分析 → 離脱する原因
相互補完的な仕組みを導入することが必要
ユーザー体験の時間軸をとらえる
サービスの「利用前」「利用中」「利用後」にまたがる時間軸で潜在的なニーズを正しく把握するのが基本
- 利用前:予期的UX
- 利用中:一時的UX
- 利用後:エピソード的UX
- 全体:累積的UX
原則2【:HOW】どう改善するか
「ユーザー真理/行動」をUI/UXデザインに落とし込む
ユーザーニーズに沿って情報を組み立てる
ユーザーのステップごとの不安や解決したいことに沿って、ゴールとなるCVまでスムーズに情報を組み立ててあげる必要があるのです。
- 重要事項が事前に確認できる
- ユーザーが遷移前のページで不安や懸念を解消できているか
- CTAのワーディングをわかりやすく
- 具体的にボタンをクリックしたときに何が起こるかをイメージできるか
ユーザー視点で情報をデザインする
文脈を理解せずにただ同じデザインを当てはめるのではなく、類似の機能であってもユーザー視点に立ち、大きさ・色・表記など各パーツのデザインの理由を明確に説明できるようにすることあ¥が重要です。
初期体験こそ丁寧に設計しよう
サービスを初めて利用する「最初の体験」で多くの課題が出てくる傾向
初期体験における情報取得は理由とセットで設計する。
外で利用されることを考慮する
特にスマホアプリなどの場合、白ベースの背景は避けるなど
先人の知恵を借りる
初めて訪れたユーザーの不安を取り除くTips
- CTAのワーディングを分かりやすくする
- CTAは統一する
- 重要事項の説明を行う
- マイクロコピーを活用する
気持ち良く使い始めてもらうためのTips
- パーソナライズする
- プッシュ通知の許可は承諾する価値を伝えてから表示する
- 必要なタイミングで最低限の説明を
- 最初にやるべきことを制限する
- 擬似的にAHA!体験させる
使い心地が良いサービスをつくる "おもてなし" Tips
- 待ち時間を工夫する
- 重要なページから離脱する際は、確認画面が表示される
- 検索時に候補をレコメンドする
- 最小限のページ切り替えで情報を把握させる
- 相談して決めることを考慮する
原則3【:HOW】どう改善するか〈体制とプロセス〉
UI/UXデザインにおける三方良しをつくる
UI/UXデザインにおける品質(良い結果が得られる状態)は「ビジネス(戦略・収益・営業)」「テクノロジー(開発・システム)」「UX(顧客視点)」の重なるところに生まれる
現状は「UX」に関する人材・体制が不足
ユーザーファーストの組織 / 体制が命運を握る
本来は、マーケティング部門や開発部門、運用部門も含め、社内の各部門がユーザーと向き合う機会を持つべきです。
UI/UXが重要という認知が広まっているなかで、実際の取り組みに落とし込めている組織は少ない。
- 実際に手を動かす現場の担当者レベルがUI/UXデザインの意義や具体的な手法を十分に理解できていないこと
- 意義も具体的な手法も分かっているのに、UI/UXの改善に取り組める体制になっていないこと
が大きな要因の2つ。
- UI/UXデザイン責任者を立てる
- リリース判断基準をつくる
- UI/UXの評価基準を均一化する
など、横串で管理するチームを設け、会社全体で品質を担保していく
感想
本のボリューム的には軽めで何時間かで読めます。
内容は基本的なワードも注釈での説明があったり、大事なポイントを列挙している感じで初学者向けの印象で、デザイナーやWeb担当者以外にも読みやすいUI/UXの取っ掛かりになるような本でした。
逆にいうと深堀りはされていないので、例えばユーザテストの手法についてじっくり学びたい人は ユーザビリティエンジニアリング、UIついては インタフェースデザインのお約束 のほうが特化はしています。
会社でもユーザーテストなどをやり始めている段階ですが、個人的には手法や細かいUI改善例というよりビジネスとしてUI/UXがなぜ必要とされるかについて把握できたところがよかったかなと感じます。
単純にUXに向けての興味がここ最近薄れていたことも相まって、必要性を認識できるとやる気が湧いてきました。
また手法以外のところで、原則3のような体制をどのようにするかというところも興味があるので、その分野に特化している本を別で読んでみるのも面白いかなと感じました。