【イベント】事業とカルチャーを進化させる、Amebaのブランド戦略とデザインシステム
サイバーエージェントさんのオンラインイベント【CADC2022】内の 「事業とカルチャーを進化させる、Amebaのブランド戦略とデザインシステム」 を視聴したのでメモと感想を残しておきます。
目次・概要
- CHAPTER1 広がるデザインの役割
- CHAPTER2 Amebaでのケース
- CHAPTER3 ブランド再定義の全プロセス
- Phase1. 未来構想、価値の顕在化
- Phase2. らしさの共通言語化
- Phase3. 戦略の設計とデザインシステム
- Phase4. らしさの体現
- CHAPTER4 効果測定
- CHAPTER5 まとめ
15年を超える歴史を持つAmebaでは「Amebaらしさ」を改めて解釈するために、ブランドを再定義し、それを体現するためのデザインシステム「Spindle」を構築しました。
今回は、Amebaという大きく長い歴史を持つサービスで、どのようなプロセスでブランドを定義、デザインシステム構築までに至ったのかを今日のデザインの役割と共にご紹介します。
とのことで、デザインシステムの中身についてのことはそこまで語られてなく、そもそもブランディングを行った経緯や設計や構築フローについて語られていました。
ポイント
CHAPTER1 広がるデザインの役割
狭義のデザインから広義のデザイン、経営のデザインへ
- 社会のデザイン
- コミュニティ、ソーシャルビジネスの設計
- 経営のデザイン
- ビジネスモデル、エコシステムの設計、
- 広義のデザイン
- ユーザーの体験、製品/サービスの全体設計
- 狭義のデザイン
- グラフィック、UI
デザインからデザイン思考
デザイン思考というプロセスが一般化されつつある。
CAでは5年ほど前からデザインスプリントを実施。
デザインスプリント:ユーザー体験を軸に発見・定義→展開・検証を繰り返す。
ブランディング
- BRAND(らしさ)
- ING(届け方)
すべてのタッチポイント(SNS・広告...)でブランドメッセージを伝えること。
CHAPTER2 Amebaでのケース
なぜブランド再定義が必要だったのか?
Amebaはブログを中心としたメディアプラットフォーム。
- 市場や組織の様々な変化があった
- 他SNSの台頭など
- 事業も成熟
- 古い機能やシステムが多く残り負債を重ねていた
→ ブランドとして再生する必要があるタイミングだった。
見えてきた課題
- Ameba全体としてあるべき姿がぼやけていた感覚。
- 何かを作るにしても、何を指針にすればいいのか分かりづらい。
→ 内側(ビジョン、意思)からのアップデートを行った。
ブランド再定義の目的
根幹を定義することで、組織の向かう方向を作る。 → 「Amebaらしさ」とは何か?を問い、サービスのベクトルを定めて、強固なカルチャーの創出を行う。
CHAPTER3 ブランド再定義の全プロセス
デザイン思考のプロセスを応用してつくる。
Phase1. 未来構想、価値の顕在化
共創メンバー
- 事業責任者
- BXデザイナー
- フロントエンジニア
- 広報
- サーバーサイドエンジニア
- PM
- UXエンジニア
- 編集
- CS
- デザイナー
手法
- 社内イメージアンケート
- ポジティブな部分とネガティブな部分を洗い出す
- ワーク形式でありたい姿を探す
- 事実と未来予測と意思をもとに、他にはないらしさを顕在化する
- 事実:独自性/歴史性/普遍性/未来予測/意思
- 未来予測・意思:ありたい姿
- 事実と未来予測と意思をもとに、他にはないらしさを顕在化する
Phase2. らしさの共通言語化
共通言語化
- ブランドコンセプト = 生きたコンテンツをつむぐ
- ビジョン = 100年愛されるメディアを創る
- ミッション = 人と情報をつなぎ、暮らしと心を豊かにする場所を提供し続ける
最近で言うパーパスは、ミッションに近いところ
Phase3. 戦略の設計とデザインシステム
ブランドの浸透戦略(届けるための施策)を考えていく。
ゴールデンサークル理論(WHYからはじめる)を使う。
- 組織
- パートナー
- 市場コミュニケーション
- カスタマーリレーション
- キャッシュポイント
- ユーザーが払うコスト
の領域をもとに、それぞれに対してアクションを出していく。
状態目標の設定と、どのようなアクションが必要なのかの設計。
デザインシステムの構築
サイバーエージェントのデザインシステム Spindle のWebサイト
- ブランドを体現するための手段、仕組み
- 組織のインナーブランディング
- 負債解消
のため投資判断を行った。
ブランドのパッケージ化
- ブランドガイドライン
- デザイン原則
- パターンライブラリ
- ボイス&トーン
- スタイルガイド
- パフォーマンス
- ビジュアルアイデンティティ
- アクセシビリティガイドライン
これらを丸々込みにして、デザインシステムを利用すればアメーバのブランドが分かる&らしくなる状態を目指す。
Phase4. らしさの体現
実際のアウトプット
- 記事デザイン
- イラスト
- ステッカー
プロダクト、社内ツールなどあらゆる場所でブランドを体現していく。
アウトプットしながら、改善、洗練を反復していく。
CHAPTER4 効果測定
体現したことが、どこまで浸透したのか。
- 組織
- パートナー
- 市場コミュニケーション
- カスタマーリレーション
- キャッシュポイント
- ユーザーが払うコスト
の領域ごとの自己評価を行った。
社内アンケートも実施。
- ビジョン、ミッションに共感できる
- コンセプトに共感できる
- サービスバリューに共感できる
など。
ブランド浸透度を可視化
浸透度1〜4まで
- 浸透度1
- ビジョンなどが存在していない
- ブランドの定義ができている
- 浸透度2
- ブランドを認知している
- ブランドを理解している
- ブランドに共感している
- 浸透度3
- ブランドを体現する行動ができている
- ブランドを体現する行動が定着している
- 浸透度4
- 社外に発信されている
- ブランドに共感しファンが増えている
感想
Spindleについてはリリースされてから知ってはいたので興味があり視聴しました。
最後のQ&Aでも言っていたが、もともとデザインシステムのようなものが作りたいという声は社内からあがっていて、そこにうまくブランディングを紐付けられたので、モチベーション等も高かったという話がありました。
ただ最近各社構築しているデザインシステムというものでも、ブランディングの一部に過ぎないということや、やるだけの根拠みたいなものがここまで考えているんだなと感じました。